空き家を手放したい方へ|維持費や税金の負担を減らす処分方法を解説
- 株式会社シマジュー
- 7月22日
- 読了時間: 13分
更新日:7月30日
遠方にある実家を相続したものの、使う予定がなく手放したいと考えている方は少なくありません。空き家は所有しているだけで固定資産税や管理の手間がかかり、放置すれば資産価値の低下や近隣トラブル、税負担の増加につながります。
売却や譲渡、活用など手放す方法は複数あり、状況に合う選択肢を早めに見極めることが負担を軽くする近道です。まずは空き家を手放す具体的な処分方法と、手放す前に整理しておきたい点を順に押さえておきましょう。
1. 空き家を手放したいと感じる理由と放置し続けるリスク
1.1 空き家を手放したいと考える人が増えている背景
空き家を手放したいという相談が増えている背景には、所有者が実家から離れて暮らす世帯の増加があります。進学や就職で都市部に出た子ども世代が、親の住んでいた家を相続しても戻る予定がなく、使い道のないまま維持だけを続けるケースが目立ちます。
高齢の親が施設へ入居したり亡くなったりした後、遠方に住む相続人が管理を担う状況では、月に一度の換気や庭の手入れさえ負担になりがちです。片道数時間かけて実家に通う手間や交通費を考えると、早く手放したいと感じるのは自然な流れなのです。
使う予定のない実家は、持ち続けるほど負担が積み上がります。
所有しているだけで税金と管理の責任が発生するため、活用の見込みがないなら早めに方針を決めることが、後悔を避ける出発点になります。
1.2 空き家を放置すると生じるリスク
空き家を手放したいのに放置してしまうと、時間の経過とともにリスクが積み重なります。人が住まない建物は換気や通水が止まり、木材の腐食やシロアリの被害が進みやすくなるのです。
放置によって生じる主なリスクは次のとおりです。
老朽化・倒壊
屋根や外壁が傷み、台風や地震で建材が飛散・崩落する危険が高まります。
近隣トラブル
雑草の繁茂や害虫の発生、悪臭が周囲に及び、苦情につながります。
資産価値の低下
傷んだ建物は売却時の評価が下がり、買い手も見つかりにくくなります。
犯罪・放火の温床
不法投棄や不審者の侵入、放火の対象になるおそれがあります。
こうしたリスクは一度に表面化するわけではなく、気づかないうちに進行します。近隣に被害が及べば損害賠償を求められる場合もあります。
放置期間が長くなるほど、売却や譲渡など選べる方法が限られる可能性があります。
1.3 管理不全空き家に指定されると起こること
放置した空き家は、自治体から管理不全空き家に指定される場合があります。2023年の空家対策特別措置法の改正で新設された区分で、そのまま放置すれば特定空き家になるおそれのある状態を指します。
指定されると、まず自治体から改善を促す助言や指導が入ります。それでも状況が変わらず勧告を受けると、土地の固定資産税を軽くする住宅用地特例の対象から外れ、税負担が一気に増えます。
特定空き家との違いは、危険度の段階にあります。特定空き家は倒壊の危険や衛生上の問題が深刻な状態を指し、管理不全空き家はその一歩手前の予防的な位置づけです。
勧告の段階で特例が外れる点は、見落とされがちです。
指定は突然ではなく段階を踏むため、助言や指導が届いた時点で対応すれば、税負担の増加は避けられます。
2. 空き家を所有し続ける維持費と税金の負担
2.1 空き家を所有し続けるとかかる維持費
空き家は使っていなくても、所有している限り毎年一定の費用がかかります。住んでいないから支出もないと考えていると、家計への負担を見誤りかねません。
空き家の維持でかかる主な費用は次のとおりです。
固定資産税・都市計画税
建物と土地の評価額に応じて毎年課税されます。
火災保険・地震保険
放火や災害に備える保険料が継続してかかります。
修繕費
雨漏りや設備の劣化を直すための臨時支出が発生します。
管理・巡回費用
遠方の場合、代行業者への委託費や現地への交通費がかかります。
これらは建物の状態や立地によって変わりますが、住まない家に毎年支払いが続く点は共通です。
費用だけが出ていく状況は、手放す判断を早める理由になります。
2.2 空き家の固定資産税が最大6倍になるケース
空き家の固定資産税負担が大きくなるのは、住宅用地特例が適用されなくなるケースです。住宅が建つ土地は、200平方メートルまでの部分で固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されています。
特例が外れると、土地の固定資産税は住宅用地特例が適用されていた場合と比べて、最大で約6倍になる可能性があります。ただし、実際の税額は土地の評価額や自治体の条件によって異なります。
税負担が跳ね上がる前に、勧告を受けない状態を保つことが肝心です。
毎年の維持費に加えて税金まで増えれば、持ち続けるほど負担は重くなります。放置を続けるより、手放す方針を早めに検討するほうが総支出を抑えやすくなります。
3. 空き家を手放す前に整理したい相続の問題
3.1 相続登記の義務化で空き家所有者に生じる義務
相続した空き家を手放す前に、相続登記を済ませておく必要があります。
2024年4月から相続登記が義務化され、登記をしないまま放置すると過料の対象になり得ます。
相続登記の義務化で押さえておきたい点は次のとおりです。
申請の期限
相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に登記を申請します。
過料の可能性
正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料が科される場合があります。
売却の前提
登記で名義を移さないと、売却や譲渡の手続きに進めません。
名義が亡くなった親のままでは、買い手や引き受け手が見つかっても契約できません。
登記を終えないと、売却も譲渡も先へ進みません。
3.2 相続放棄で空き家を手放す前に確認すべき点
相続放棄は空き家を手放す方法の一つですが、進める前に確認すべき点があります。手続きを誤ると、放棄したはずの家の管理責任が残ることもあるためです。
相続放棄を検討する際は、次の順番で確認してください。
期限を確認する
相続の開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述します。
他の資産への影響を確認する
空き家だけでなく、預貯金など他の遺産もすべて放棄する扱いになります。
管理責任の有無を確認する
放棄後も現に占有していれば、次の管理者が決まるまで管理義務が残ります。
相続放棄は、空き家だけを対象にするのではなく、相続財産全体を放棄する手続きです。そのため、預貯金など他の財産も含めて手放すことになります。空き家だけを処分したい場合は、売却や譲渡など別の方法も含めて慎重に検討する必要があります。
プラスの資産が多い場合は、放棄が有利かを慎重に見極める必要があります。
4. 空き家を手放したい場合の具体的な処分方法
4.1 仲介と買取で空き家を売却する方法の違い
空き家を売却して手放す方法には、仲介と買取の二つがあります。どちらを選ぶかで、売却価格と手放すまでの期間が大きく変わるのです。
仲介と買取の違いを比較すると次のようになります。
比較軸 | 仲介の場合 | 買取の場合 |
|---|---|---|
売却価格 | 市場価格に近い水準を狙える | 市場価格より低くなる傾向がある |
手放すまでの期間 | 買い手探しに数か月かかることがある | 数週間で完了する場合がある |
手間 | 内覧対応や交渉が必要 | 業者と直接取引で手間が少ない |
高く売りたいなら仲介、早く確実に手放したいなら買取が向いています。老朽化が進んで買い手がつきにくい空き家では、買取のほうが現実的な選択肢になる場合もあります。
高く売るか早く手放すかで、選び方は変わります。
4.2 相続土地国庫帰属制度を使って手放す
相続した土地を国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度も、手放す手段の一つです。2023年4月に始まった制度で、相続や遺贈で得た土地が対象になります。
制度を使う際の流れは次のとおりです。
承認申請をする
土地を管轄する法務局へ、申請書と審査手数料を提出します。
審査を受ける
法務局の担当官が書面と現地を調査し、要件を満たすか確認します。
負担金を納付する
承認されたら、管理費相当の負担金を納めて国庫に帰属します。
建物が残っている土地や、担保権が設定された土地は対象外です。まず更地にする必要があるなど条件が細かく設定されています。
建物が残る土地は、この制度の対象になりません。
4.3 解体して更地にする際の費用と注意点
空き家を解体して更地にすれば、買い手や活用の幅は広がります。ただし解体には費用がかかり、木造住宅の解体費用は建物の規模や立地で幅があるのが実情です。
注意したいのは、更地にすると住宅用地特例が外れる点です。建物がなくなることで土地の固定資産税の軽減がなくなり、税負担が上がります。
解体費と税負担の増加は、売却時期とあわせて考える必要があります。
更地にしてすぐ売れれば税負担の期間は短く済みますが、売れ残れば高い固定資産税を払い続けることになります。解体は売却や活用の見通しが立ってから判断するほうが安全です。
4.4 空き家バンクへ登録して引き受け手を探す
市場での売却が難しい空き家は、自治体の空き家バンクへ登録し、移住希望者や地域で活用したい人とのマッチングを目指す方法があります。移住希望者や地域で活用したい人と、所有者をつなぐ仕組みです。
空き家バンクを利用する際の流れは次のとおりです。
登録を申し込む
物件のある自治体の窓口へ登録を申請します。
情報を公開する
物件の写真や条件が、バンクのサイトに掲載されます。
交渉・成約する
問い合わせた希望者と条件を調整し、契約に進みます。
空き家バンクは仲介と違い、必ずしも早く成約するとは限りません。登録しても引き合いがないまま時間が過ぎる場合もあります。
空き家バンクは成約まで時間がかかりがちです。
5. 手放す前に知っておきたい空き家の活用方法
5.1 賃貸やDIYリノベーションで空き家を再生する
空き家は手放すだけでなく、賃貸やリノベーションで再生する道もあります。修繕して貸し出せば家賃収入が見込め、資産として持ち続ける選択肢が生まれるのです。
DIYで内装を整えれば改修費を抑えられ、費用対効果を高めやすくなります。近年は自分で手を入れながら住む前提で、あえて古い家を選ぶ借り手も見られます。
ただし再生が成り立つかは立地に左右されます。賃貸需要のある地域なら収益化を狙えますが、借り手の見込めない場所では改修費を回収できないおそれがあります。
活用か手放すかは、立地と費用の見込みで判断が分かれます。
再生に踏み出す前に、周辺の賃貸需要と必要な改修費を見比べておくことが、無理のない選択につながります。
5.2 補助金・助成金を使って空き家を活用する
空き家の活用には、自治体の補助金や助成金を使える場合があります。改修や解体にかかる費用の一部を支援する制度で、負担を軽くしながら再生を進められます。
空き家に関する支援には、一般的に次のような種類があります。
改修費の補助
リフォームや耐震改修の費用の一部を助成する制度です。
解体費の補助
老朽化した空き家の除却費用を支援する制度です。
活用支援の制度
移住や地域活用を目的に、改修や家賃を補助する制度です。
補助の名称や条件、金額は自治体ごとに異なり、募集期間や予算にも限りがあります。
補助の条件は自治体ごとに大きく異なります。
利用を考えるなら、物件のある自治体の窓口で最新の内容を確認しておくことが欠かせません。
空き家は活用できれば資産として生かせますが、立地や建物の状態によっては収益化が難しい場合もあります。その場合は、無理に所有し続けるのではなく、地域で活用できる引き受け先への譲渡という選択肢も検討できます。
6. 空き家を地域に活かすRE・HOMEの譲渡・再生ネットワーク
6.1 売却が難しい空き家を譲渡で手放すという選択肢
売却も活用も難しい空き家でも、譲渡という形で手放す道があります。老朽化が進んだ家や、狭小・地方にあって買い手のつかない物件は、市場での売却が行き詰まりがちです。
そうした空き家を地域に役立つ形で引き受け、再生につなげているのが一般社団法人RE・FUND推進機構のRE・HOMEです。売れずに抱え込んでいた物件を手放せるだけでなく、再生を通じて地域の住まいとして活かされます。
譲渡という選択肢が向いているのは、次のような空き家です。
老朽化した家
修繕費がかさみ、そのままでは売却が難しい物件です。
狭小・変形地の家
建て替えや活用が難しく、買い手が限られる物件です。
地方や郊外の家
需要が乏しく、仲介に出しても成約しにくい物件です。
売れない空き家を放置し続ければ、維持費と税負担だけが積み重なります。
譲渡は、負担を手放しながら家を活かせる出口になります。
6.2 建築・行政・士業が連携するワンストップ支援
空き家を手放すには、調査や登記、税金、再生など複数の分野が絡みます。窓口ごとに相談先が分かれると、所有者はそのたびに状況を説明し直す手間を負いがちです。
RE・FUND推進機構は、建築・行政・士業が連携するワンストップ体制で、調査から譲渡・再生、補助金の申請までを一体で対応します。相談者は一つの窓口で話を進められ、専門家を個別に探し回る負担がなくなります。
空き家の状態や希望に応じて、売却・譲渡・再生のどれが合うかを一緒に整理できます。空き家の状態や希望に応じて、売却・譲渡・再生のどれが合うかを一緒に整理できます。
複数の専門分野を一つの窓口でつなげる点が、ワンストップ支援の強みです。
バラバラに相談するより、全体を見通したうえで進められるため、手放すまでの道筋が立てやすくなります。
6.3 空き家の譲渡や再生に関する相談前の不安
空き家の相談をためらう理由として多いのが、何から話せばよいか分からない不安です。登記や税金、建物の状態など論点が多く、整理できないまま時間だけが過ぎてしまう方も少なくありません。
費用への不安も相談を遅らせる要因です。相談した時点で高額を請求されるのではと身構え、結局放置してしまうケースもあります。
実際には、まず現状を伝えるところから始めれば十分です。物件の場所や状態、手放したい理由を共有すれば、そこから合う方法を一緒に整理していけます。
分からないまま抱え込むより、現状を話すことが解決の入り口になります。
不安を感じたまま放置するほど選択肢は狭まるため、迷った段階で早めに相談することが負担を軽くします。
7. まとめ:空き家を手放したいなら早めの相談を
空き家を手放したいと感じたら、放置せず早めに動くことが負担を抑える近道です。時間が経つほど建物は傷み、修繕の手間や費用がかさむうえ、選べる手放し方も少しずつ狭まっていきます。所有し続ければ固定資産税や管理費がかかり、勧告を受ければ住宅用地特例が外れて税負担が最大でおよそ6倍まで増えるおそれがあります。
手放す方法は一つではありません。仲介や買取での売却、相続土地国庫帰属制度、解体、空き家バンク、そして地域に役立てる譲渡まで、状況に応じて選べます。相続登記や相続放棄など、手放す前に整理すべき点も先に確認しておくと手続きが滞りません。
売却が難しい空き家でも、譲渡や再生という出口は残されています。何から始めればよいか迷うときは、空き家の相談に対応している専門の窓口へ、現状を伝えるところから始めてみてください。
物件の場所や状態、手放したい理由を整理して伝えれば、そこから状況に合う方法を一緒に見極めていけます。焦って結論を出す必要はなく、まずは現状を共有するだけでも次の一歩が見えてきます。早い相談ほど、選べる選択肢は多く残ります。
空き家を手放したい方へ、RE・FUND推進機構の譲渡・再生支援
一般社団法人RE・FUND推進機構は、建築・行政・士業が連携するワンストップ体制で、空き家の調査から譲渡・再生までを一つの窓口で支援しています。空き家の状態や所有者の希望に応じて、売却・譲渡・再生など複数の選択肢から適した方法を整理できます。
何から話せばよいか迷う段階でも大丈夫ですので、まずは物件の場所や状態など、いまの状況をお伝えいただくところから始めてみてください。




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